- 浄化槽と下水道が選べるならどちらがお得か知りたい
- それぞれを採用するデメリットも把握しておきたい
そんな悩みにお答えします。
そもそも浄化槽と下水道の好きなほう選べることは滅多にありません。
この記事を書いている僕は、新築マイホームに浄化槽(5人槽)を採用し、維持費の高さに絶望している人間です。
結論からいうと、ほとんどの場合で下水道を選んだほうが良いです。
この記事を読むことで、
- 浄化槽と下水道の違い
- 浄化槽のメリット・デメリット
- 下水道のメリット・デメリット
これらが分かります。
僕が家を建てた土地は下水道が使えず浄化槽一択でしたが、近くに住む実家は下水道を使っています。
同じエリアで浄化槽と下水道を比較できたので、土地選びやリフォームの参考にどうぞ!
浄化槽と下水道の構造的な違いを比較
トイレ・キッチン・洗面所・お風呂・洗濯機などから流す生活排水は、洗剤が混ざっていたり汚れていたりするのでそのまま川や水路に流すことができません。
そんな生活排水を川や水路に流す前にキレイにする場所が浄化槽や下水道です。
浄化槽の特徴とメリット
浄化槽は自宅の敷地内に設置するもので、微生物のはたらきによって生活排水をキレイにするための設備です。
浄化槽でキレイになった水を放流するので、下水道の使用料金を取られないメリットがあります。
また、下水道を使う人が納める「受益者負担金」を納める必要もありません。
下水道の特徴とメリット
下水道は家の前に埋まってる公共の下水道を使って、排水処理を行う設備のことです。
公共の下水道は自治体が管理しているので、生活が始まったあとは水道料金以外にかかるコストは無いのがメリットです。
浄化槽の2つのデメリット
とにかくコストがかかる
浄化槽には以下のコストがかかります。
- 設置コスト
- メンテコスト
- 買い替えコスト
自宅の敷地内に設置する必要があるので、設置コストがかかります。
設置コストの目安は以下の通りです。
サイズ | 設置コスト |
---|---|
5人槽 | 約350,000円 |
7人槽 | 約400,000円 |
10人槽 | 約550,000円 |
ちなみに我が家の場合は、5人槽で365,000円でした!
下水道エリアならそもそも浄化槽を造らなくていいので、その分の費用をマイホーム設備のグレードアップにまわしたりできますね。
年間の維持コストもバカになりません
我が家でかかってる年間維持コストがこちら。
メンテナンス項目 | 費用(税込) |
---|---|
法定検査 | 5,500円 |
定期点検(年4回) | 4,400円/回 |
殺虫作業(年4回) ※強制ではありません | 3,960円/回 |
バキューム作業 | 22,000円 |
全部あわせると60,940円で、これを毎年払い続けるわけです。
下水道エリアならそもそも浄化槽が無いので、これらの費用はまったくかかりません。
浄化槽の買い替えコストもかかります
浄化槽には寿命があります。
寿命 | 交換費用 | |
---|---|---|
浄化槽本体 | 20年~30年 | 350,000円~ 550,000円程度 |
ブロワー | 5年~7年 | 20,000円~ 40,000円程度 |
毎年かかるコストではありませんが、車検のように忘れたころにくる痛い出費になりますね。
地震などで浄化槽が壊れることもあります。その場合、追加で買い替えコストがかかることも考えておかなければなりません。
なんでもかんでも流せない
浄化槽は、微生物のはたらきによって生活排水をキレイな水に変えてくれています。
そんな微生物たちは刺激物に弱いんです。
微生物たちが嫌う刺激物でいうと、漂白剤や入浴剤が代表的。
我が家でよく使っていたのはこれら。
- ハイター
- オキシクリーン
- イオウ成分の入浴剤
これらを安易に使うことができなくなりました。
それでも数ヶ月に1度くらいは使っちゃってますけど!
下水道の2つのデメリット
下水道の使用料金がかかる
公共の下水道を使うので、水道の使用量に応じて下水道料金を請求されます。
下水道の利用料金は自治体ごとにバラバラなので、自治体のホームページで料金を確認してください。
下水を使うのに受益者負担金を納める必要があります
「下水道が使える」という利益を受ける土地所有者が、下水道建設事業費の一部を負担する制度のこと。
最初の1回だけですが、けっこう大きな金額を納めることになります。
受益者負担金は、住宅を建てる土地の面積によって値段が異なるので一概に金額を示すことができません。
僕が住んでいるエリアでは、1㎡あたり400円の負担額を納めることになっています。
土地面積 | 負担金額 |
---|---|
50坪の土地 | 約66,000円 |
90坪の土地 | 約120,000円 |
こんな感じです。
おおよその目安として参考にしてください。
ゴキブリの侵入経路になりやすい
下水道はゴキブリやネズミの巣窟で、下水道とダイレクトに繋がっている住宅は配管からゴキブリが進入することがあります。
- トイレの便器内
- キッチンの排水口
- お風呂場の排水口
- 洗濯機の排水パン
- 洗面台下の排水パイプのすき間
これらがゴキブリの侵入経路となります。
通常は「排水トラップ」や「封水」によって、ゴキブリが進入できないようになっています。
- 排水トラップは、排水口につけるフタのようなもの!
- 封水は、トイレの便器内に溜まってる水のこと!
ですが、下記のような原因でゴキブリの進入を許してしまうことも…。
- 排水トラップがズレてる
- そもそも排水トラップがない
- 長期間の外出で封水が蒸発した
とくに排水口を掃除するときに、排水トラップがズレることがあるので注意しましょう。
最後に:浄化槽と下水道のどちらが良いか費用を比較
最後に、我が家の浄化槽と実家の下水道で以下の費用を比較しました。
- 入居にかかる初期費用
- 年間の利用料金
費用を比べてどちらがお得か、どのくらいの差があるのかを確認しましょう。
初期費用では”下水道のほうが安い”という結果
浄化槽の設置費用 | 365,000円 |
下水道の受益者負担金 | 約66,000円 |
うちの実家は土地面積が約50坪なので、受益者負担金は約66,000円です。
初期費用だけで見ても約300,000万円の差がありました。
受益者負担金は最初の1回だけ支払えばOKですが、浄化槽の設置コストは複数回かかる費用です。
年間の利用料金でも”下水道のほうが安い”という結果
上記しましたが、浄化槽の年間コストは以下の通りです。
メンテナンス項目 | 費用(税込) |
---|---|
法定検査 | 5,500円 |
定期点検(年4回) | 4,400円/回 |
殺虫作業(年4回) ※強制ではありません | 3,960円/回 |
バキューム作業 | 22,000円 |
全部あわせると60,940円です。
殺虫作業はお好みなので、やらなかったとしても45,100円です。
それに比べて実家の水道料金は下記の通りです。
下水道の利用料金は5,350円ですが、これは2ヶ月に一度の請求金額です。
つまり、
2ヶ月5,350円×6=年間32,100円
ザックリ計算ですが、1年間の利用料金は32,100円です。
年間コスト | |
---|---|
浄化槽 | 45,100円 |
下水道 | 32,100円 |
同じエリアで年間の利用料金を比べても、下水道のほうが安いことがわかりました。
下水道のほうが高くなる可能性はゼロじゃない
水道の基本料金は市区町村が決めており、全国バラバラの料金設定になっています。
隣接する市区町村でも水道料金の違うので、一例をご紹介します。
埼玉県 | 水道料金 (口径20mmで20m3の月額) | 下水道料金 (20m3を使用した場合の月額) |
---|---|---|
さいたま市 | 3,498円 | 2,459円 |
川口市 | 3,553円 | 1,998円 |
戸田市 | 2,057円 | 1,023円 |
さいたま市と戸田市は隣なのに、水道料金は約1.5倍も違います。
つまり水道の基本料金が高いエリアだと、使えば使うほど料金が高くなる下水道のほうが年間コストが高くなる場合もあるということです。
しかし、浄化槽の設置コストや買い替えコストを考えると、やはり下水道のほうが安いと言えるでしょう。
というわけで以上です。
そもそも浄化槽と下水道の好きなほう選べることは滅多にありません。
水道料金や浄化槽のメンテナンスコストは、一生続く出費です。
ムダな出費を支払わないためにも、下水道エリアで希望の土地が見つけられると良いですね。
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